FXを始めてしばらく経つと、誰もが「ロット数はどのくらいが適正なのか」という疑問に行き着く。
感覚でロットを決めてしまうと、たった1回の損切りで口座が大きく減ることもある。
トレードは「どこで入るか」以上に、「どれだけのリスクを取るか」が重要だ。
今回は、資金を守りながら安定して成長していくための基本である「ロット計算」と「リスク1%ルール」について解説する。
結論:1回のトレードで失う金額は資金の1%以内に抑える
FXで安定して勝ち続けるための第一歩は、「資金を守ること」だ。
そのために最も重要なのが、1回のトレードで失ってもいい金額を明確に決めること。
資金10万円であれば、1%は1,000円。
この1,000円を“最大損失額”として、損切り幅に応じてロット数を決める。
これが「リスク1%ルール」の基本だ。
この考え方が身につけば、どんな相場でも冷静に判断できるようになる。
ロット計算の基本
ロット計算の目的は、損切りになっても口座資金を大きく減らさないためのリスク調整にある。
計算の流れ
- 資金を確認する
- 1%を計算して、1回の許容損失額を出す
- 損切り幅(pips)を決める
- ロットを逆算する
たとえば、以下のような条件を想定しよう。
- 資金:100,000円
- 許容損失:1%=1,000円
- 損切り幅:20pips
この場合、1pipsあたりの損失は「1,000円 ÷ 20pips = 50円」。
1pips=100円の損益が動く1ロット(1万通貨)では大きすぎるため、
**0.5ロット(5,000通貨)**が適正となる。
このように、損切り幅からロットを逆算することで、資金を守りながらトレードできる。
リスクを固定すると判断が安定する
ロットが安定すると、メンタルのブレが減る。
人は「この1回で大きく減るかもしれない」と感じた瞬間に冷静さを失う。
リスクを1%に固定しておけば、損切りになっても冷静に次へ進める。
1回の損失で致命的なダメージを受けないからだ。
一方で、ロットをその都度変える人ほど不安定になる。
感情に任せてロットを上げれば、たった1回の負けで数日分の利益を失う。
この繰り返しが、トレードを崩壊させる。
安定して勝ち続ける人ほど、「ロット=呼吸のように一定」である。
よくある間違い
1. 勝てると思った時にロットを上げる
根拠があるように感じても、相場は常に不確実だ。
「ここは確実」と思ってロットを上げると、外れた時のダメージが大きくなる。
リスクは常に一定に保つこと。
2. 損切りを広げてロットを維持する
損切り幅を広げて同じロットを使うと、リスクが増大する。
損切り幅が倍になれば、ロットを半分にする。
リスク量=損切り幅×ロットという感覚を常に意識する。
3. 損切りを入れない
「損切りを入れなければ負けにならない」という考え方は、最も危険だ。
1回の判断ミスが資金全体を吹かす結果につながる。
守ることができて初めて、攻めることができる。
ロット管理を習慣化する方法
- 毎トレードごとに計算する
新しいトレードを始める前に、必ず損切り幅を決めてロットを逆算する。 - トレードノートに記録する
どのロットで入ったか、損失額はいくらだったかを記録し、後で振り返る。 - 感覚でロットを決めない
どんなに自信がある時でも、計算に基づくロットでエントリーする。
感情を排除することが、安定したトレードへの近道。
まとめ:ロットは「自信」ではなく「計算」で決める
FXにおいて最も危険なのは、“自信”でロットを決めることだ。
自信は一瞬で崩れるが、計算で決めたリスク管理は裏切らない。
- 1回の損失は資金の1%以内
- ロットは損切り幅から逆算
- 感情ではなくルールで判断
この3つを徹底することで、トレードは安定し、結果的に勝率も上がる。
資金を守れる人だけが、次のチャンスを掴める。
「守りの精度」が、長く生きるトレーダーの条件だ。



